ゾウの頭の姿で有名なインドの神様、
ガネーシャ神が片方の牙を折ってペンにして書き記したという、世界最大級のインドの叙事詩マハーバーラタ。
ヨガ哲学の勉強で知ったバガヴァッド・ギーターを読んでいるうちにその前後も気になってマハーバーラタも読んでみました。
叙事詩(じょじし)ってあまり聞きなれない言葉ですが
意味は「歴史上の人物や、出来事、神話、伝説などを書いた詩」のことです。
もとは全18巻もあるという長い詩のお話。
はじまりは
バガヴァッド・ギーターに登場する
アルジュナやクリシュナの父や母やそのまた父や母の父や母などそれぞれの先祖のお話からはじまります。
内容を読んですぐの感想は
びっくりな発想と仰天な展開が、強烈インパクトな物語だなと思いました。
「王妃が懐妊したけれど2年たっても出産せず、やっと生まれたと思ったら大きな冷たい肉塊で
それを100回切り分けて101個の塊にしてギー(良質なバター)の中で1年保存していたら人間になりました。」みたいな話がサラリと出てきます。
いやいや、それどういうこと?と毎回立ち止まっちゃうと読み進めることが出来ないのでよく理解出来ないことも「ふむふむ。よく分からんがそういうもんなんだろう。」と読んでいく姿勢が必要になります。😅
良いことも悪いことも
悪魔も神様も
聖仙も人間も野獣も
自分が行った行いから、色々な結果がもたらされていく様を
何世代にもわたって天界、人間界、魔界を通してただ淡々と見せてくれる壮大な物語。
一見突拍子もないような出来事も、
一見あまりにも無茶があるように思える展開も、
丁寧に過去を紐解いていくと
「全てかならずその原因となった出来事がある。」
そういうメッセージを繰り返し伝えてくれているようなお話でした。
それからこの物語には数字の神秘も隠されています。
おそらく偶然ではなく何らかの意図があり
物語の中で18という数字が多用されています。
マハーバーラタは全部で18巻
そのクライマックスであるバガヴァッド・ギーターも全18章
大戦争の期間も18日間
18という数字にどういう意味が込められているのだろう?
と、とても気になります。
インドで9は神を表す完全な数字とされているそうです。その理由は9に何をかけても出た数字を足すと9になるからだそうで。
例えば9×13=117
1+1+7=9のように何をかけてもそうなります。
(電卓でしばらくカチャカチャ試してみてください😁)
その神秘的な数字9を×2で18
これは絶対何か深い意味がありそうですよね〜!いやー気になる。
この感想ブログを書くにあたって
一番個人的に好きなシーンをひとつ紹介しようと思ったのですが、たくさんありすぎてなかなか一つに絞れません。
ネタバレになりますが
ざっくり紹介すると
戦いに参加しないと言っていたはずのクリシュナが
大親友アルジュナが戦いの中で手を抜いて戦っているのを見つけて
馬車から飛び降り自ら武器(チャクラという円盤)を持って戦おうとしたシーンは
緊張感と意外性があって好きですし、
偉大な戦士ビーシュマのハリネズミみたいな最期は、
とても神秘的で美しく、悲しいような安堵感のような不思議な気持ちになったし、
アルジュナのお兄ちゃんのユディシテラが賭け事で、すってんてんなシーンでは、
「なんてことを!」と心底怒りと軽蔑を感じながらも、
でも人ってそういうもんだよなぁ。と諦めのような気持ちになり、
ほんとは英雄なのに貧しい暮らしをしていたカルナが自分を捨てた母クンティの頼みを断るところでは、どちらの気持ちも切なかった。
そしてやけにジワるのが
天国の入り口に見知らぬ野良犬がいつのまにか一緒にいるシーンで、
いやいやなんで?何この犬?と驚きの展開過ぎて、思わず声出して笑いました。🤣
どれもこれもとても印象的で
一度読んだら忘れることがなさそうなインパクトがあります。
そしてどのお話も、
人によって解釈も違えば受け取れる教訓も違いそうな不思議なお話。
これは本当に神様が書いた本なのかも!と思わせてくれるお話でした。
ちょっと長いけれど
ご興味がある方はぜひ読んでみられてください。
もしかしたら、
これまでの既成概念が覆るようなアハ体験が起こるかも!?笑